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ボツリヌストキシン治療

ボツリヌストキシン治療とは?

ボツリヌストキシン治療とは、ボツリヌス菌から抽出されたたんぱく質を筋肉に注射することで、筋肉の緊張を和らげる治療法です。

これにより、歯ぎしりや食いしばり、顎関節症などの症状を軽減できる可能性があります。一般的にボツリヌストキシン治療は「美容目的」の印象を持たれがちですが、歯科で行う治療は、れっきとした医療行為です。当院では、歯科的な視点から症状の原因を見極め、適切な治療をご提案いたします。歯ぎしり・食いしばり、顎関節の不快感などでお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

歯科医院でボツリヌストキシン治療を受けるメリット

ボツリヌス治療は、歯科で受けるとより効果的です

ボツリヌス治療と聞くと、美容クリニックで行う「しわ取り」などの美容目的の治療を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、歯ぎしりや食いしばりの改善を目的としたボツリヌス治療は、歯科医院で受けることに多くのメリットがあります。

歯科では、噛みしめの力のコントロールだけでなく、根本的な原因へのアプローチも可能です

歯科でボツリヌス治療を行う場合、噛む力を抑えるだけでなく、必要に応じて噛み合わせや口腔内環境の見直しなど、総合的な治療を行うことができます。歯ぎしり・食いしばりの背景には、ストレスや習慣、歯並び・噛み合わせの問題など複合的な要因があるため、口腔の専門家である歯科医師がトータルでサポートすることが重要です。

口腔・顎顔面領域の専門知識があるからこそ、安全な施術が可能です

歯科医師は、あごや口の筋肉、神経、骨の構造など口腔顔面領域に関する豊富な知識と経験を持っています。そのため、機能的かつ安全に、噛む・話す・表情を作るといった口腔機能を守りながらボツリヌス治療を行うことができます。

「ただ注射するだけ」ではない、歯科だからできるボツリヌス治療を

歯ぎしりや食いしばりにお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。歯科医院ならではの視点から、患者さま一人ひとりに合わせた、安心で効果的な治療をご提案いたします。

歯ぎしり・食いしばり・顎関節症の治療に効果的

歯ぎしりや食いしばりは、歯やあごに大きな負担をかけています。

通常の噛む力は体重と同じくらいですが、歯ぎしりや食いしばりの際には、その2〜5倍もの強い力が歯にかかると言われています。そのため、あごの関節にも負荷がかかり、顎関節の痛みや口の開けにくさなどの不調が現れることもあります。

また、毎日のように強い力が加わることで、

■歯がすり減る・欠ける・折れる
■詰め物や被せ物(特にセラミック)が割れる

といったトラブルが起こることがあります。さらに、歯ぐきや歯を支える骨(歯槽骨)にも影響が及び、歯周病の悪化や知覚過敏を引き起こす可能性もあります。

このような悪循環を防ぐために、ボツリヌストキシン治療によって噛みしめる力をコントロールし、歯や口腔周囲の筋肉への負担を軽減することが有効です。

歯ぎしり・食いしばりの習慣は、放っておかずに早めの対処をおすすめします。

ボツリヌストキシン治療がおすすめの方

歯ぎしり・食いしばりは無意識に行っていることが多いため、自覚がない方も少なくありません。

歯ぎしりや食いしばりは、睡眠中など無意識のうちに起こっていることが多く、ご自身で気づかないケースも多くあります。しかし、以下のような症状がある方は、就寝中などに歯ぎしりや食いしばりをしている可能性があります。

気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。

舌や頬の内側に歯の跡がある

口の中を見たとき、舌の側面や頬の内側に歯形がついている場合、無意識に強く食いしばっている可能性があります。
通常、上下の歯は軽く離れているものですが、食いしばりがあると舌や頬が常に歯に押し付けられて跡が残ってしまいます。

顎関節に違和感や痛みがある

・あごの関節がカクカク鳴る
・口が開きにくい
・あごに痛みがある

このような顎関節症の症状がある方は、歯ぎしり・食いしばりが原因となっているケースが多く見られます。噛む力が通常の2〜5倍に達することもあり、顎関節に大きな負担をかけてしまいます。

原因不明の肩こり・首こり・頭痛・めまいがある

歯ぎしりや食いしばりで口周りの筋肉が常に緊張していると、首・肩・こめかみなどにも影響が及び、慢性的な肩こり・首こり・頭痛・めまいを引き起こすことがあります。一部の筋肉の過緊張が、全身の筋肉バランスを崩すこともあります。

起床時に顔やあごが重だるい

朝起きたときに顔まわりやあごに違和感、だるさ、疲れを感じる方は、就寝中に強く噛みしめている可能性があります。

詰め物・被せ物がよく割れる・外れる

何度も詰め物や被せ物が壊れたり外れたりする方は、噛む力が強くかかっているサインかもしれません。壊れた箇所から細菌が入り込み、むし歯や歯周病を悪化させる原因にもなります。

歯のすり減り・ヒビ・知覚過敏がある

・歯の表面がすり減ってきた
・歯に細かいヒビが入っている
・冷たいものがしみる

これらは歯ぎしり・食いしばりによって毎日強い力が加わることが原因の場合があります。特に歯と歯ぐきの境目が削れてくる「くさび状欠損」が起きると、象牙質が露出して知覚過敏を引き起こすことがあります。

当院で用いるボツリヌス治療薬について

当院では、患者様のご希望やご予算に応じて選択できるよう、特性の異なる2種類の製剤をご用意しております。

  • ボトックスビスタ®(米国アラガン社製)
    厚生労働省が国内で唯一、美容領域のしわ治療を目的として製造販売を承認しているA型ボツリヌストキシン製剤です。品質と安全性において、世界的に豊富で長期的な実績があります。ボトックスビスタ
  • ボツラックス®(韓国Hugel社製)
    韓国の食品医薬品安全庁(KFDA)によって認可されており、その効果と経済性のバランスから世界各国で広く導入されている製剤です。ボツラックス

カウンセリングにてそれぞれの製剤が持つ特性やメリットを詳しくご説明し、患者様にとって最適なものを一緒に選んでいきます。

施術当日の流れとアフターケア

カウンセリング・診察

まず、患者様のお悩みや改善したい点を詳細にヒアリングします。ボツリヌス治療が適切かを専門家が診察し、期待される効果や考えられるリスクについて丁寧にご説明します。

同意書の確認と署名

治療内容に十分にご理解・ご納得いただけましたら、同意書にサインをいただきます。

施術前の記録撮影

治療前の状態を正確に記録するため、お顔の写真を撮影させていただきます。

注入部位の最終確認と消毒

実際に歯をぐっと噛みしめていただき、咬筋(こうきん)の盛り上がりや動きを正確に把握した上で、医師が注入箇所を丁寧にマーキングし、消毒します。

ボツリヌストキシンの注入

注入にかかる時間は5分程度です。極細の注射針を用いるため、痛みは最小限に抑えられます。

施術後のご説明

施術後にお気をつけていただきたい点や、アフターケアの方法についてご説明します。ご不明な点があれば、何でもご質問ください。

 

当院では、ボツリヌストキシン治療により噛みしめの力をやさしくコントロールし、歯や筋肉への負担を軽減する治療を行っています。

症状に心当たりのある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

■ ボツリヌストキシン注入治療に関して
【治療内容】
ボツリヌス菌が作る「ボツリヌストキシン」という天然のたんぱく質を、極めて微量、過度に緊張している筋肉(咬筋など)に注入する治療法です。これにより、歯ぎしり・食いしばり、顎関節症、咬筋肥大といった症状の改善が期待できます。結果として、顎の痛みや歯のすり減り、ひび割れ、破折などを予防することに繋がります 。

【標準的な費用(自費)】
ボトックスビスタ®:55,000円(税込)
ボツラックス®:44,000円(税込)

【治療期間及び回数】
効果は数日~数週間で現れ、通常3~6ヶ月程度持続します。時間の経過と共に効果は薄れていくため、注入前の状態に戻りますが、再度注入することで同様の効果が期待できます。また、繰り返し施術を行うことで、効果がより長く続くことが期待できます。

【副作用・リスク】

注入部位に内出血、赤み、腫れ、かゆみ、疼痛、発疹などがみられることがありますが、多くは数日のうちに消失します。
局所的な筋肉の疲労感、脱力感、食事時の違和感、突っ張り感などがみられることがありますが、これらも一過性で時間と共に回復します。
ごくまれに(発症頻度0.5%以下)、発熱、吐き気、頭痛などが生じることがあります。
過度な注入や短期間での反復治療により、ボツリヌス毒素に対する抗体ができ、効果が薄れる可能性があります。
【医薬品医療機器等法(薬機法)に関する記載事項】
薬機法上の承認/認証を得ていない医療機器であること:当院で使用するボツリヌストキシン製剤の一部(ボツラックス®)は、日本国内においては厚生労働省による承認を受けていない未承認医薬品です。
入手経路: ボトックスビスタ®:アッヴィ合同会社 アラガン・エステティックスより、ボツラックス®: 株式会社ビューティーカレンダーを通じて、歯科医師が適正な手続きにより個人輸入しています。
同一の性能を有する他の国内承認医薬品等の有無: 日本国内においては、アラガン社の「ボトックスビスタ®」が、眉間や目尻の表情じわの改善目的で厚生労働省の製造販売承認を取得しています。しかし、歯ぎしり・食いしばりの原因となる咬筋への適用など、その他の部位や症状に対する治療に関しては、国内で承認されたボツリヌストキシン製剤はありません(2025年9月時点)。
諸外国における安全性等に係る情報: 当院で使用する韓国製のボツリヌストキシン製剤は、韓国の規制機関であるKFDA(韓国食品医薬品安全庁)の承認を受けています。現在まで、重篤な副作用は報告されておりません。
医薬品副作用被害救済制度の対象とならないこと:当院で使用する未承認のボツリヌストキシン製剤によって万が一重篤な副作用が発生した場合、国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となることがあります。