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あなたの歯茎は何色?色からわかる「病気のサイン」と「審美的な悩み」の見分け方

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「最近、歯茎の色が変わってきた気がする」「他の人と比べて黒っぽいかも…」
そんな風に、ご自身の歯茎の色について漠然とした不安を感じたことはありませんか?

歯茎の色は、実はお口の健康状態を教えてくれる大切なサインです。普段あまり意識しない部分かもしれませんが、歯の白さと同様に、健康的で美しい口元の印象を左右する重要な要素です。
この記事では、歯茎の色が持つ意味と、ご自身の状態を正しく見分けるためのポイントを、最新の研究報告なども交えながら分かりやすく解説します。

まずは知っておきたい「理想的な歯茎」のチェックポイント

世界の専門家の間での共通認識として挙げられる「健康な歯茎」のチェックポイントをご紹介します。ご自身の歯茎と見比べてみましょう。

色(Color)

健康な状態: 淡いきれいなピンク色(ライトピンク)をしています。
注意が必要な状態: 炎症が起きると赤みを帯びたり、血流が滞る「うっ血」という状態になると、暗い赤紫色に見えることがあります。

健康な歯茎と赤い歯茎

形(Shape)

健康な状態: 全体的にキュッと引き締まっています。特に注目したいのが、歯と歯の間を埋めるシャープな三角形の部分。これは「歯間乳頭(しかんにゅうとう)」と呼ばれ、健康のバロメーターです。
注意が必要な状態: 歯周病などで炎症が起きると、この歯間乳頭が丸みを帯びてブヨブヨと膨らみます。これが「腫れている」状態です。

歯間乳頭

硬さ(Firmness)

健康な状態: 指でそっと押した時に、跳ね返すような適度な弾力があります。
注意が必要な状態: 腫れている歯茎は水分を多く含んで弾力が失われているため、指で押すと跡が残りやすいことがあります。

もしあなたの歯茎が「注意が必要な状態」に当てはまる場合、その色には何らかの意味が隠れているかもしれません。

【色でわかる】歯茎が示す2つのメッセージ

歯茎の色の変化は、大きく2つのカテゴリーに分けられます。

カテゴリーA:注意が必要な「病気のサイン」としての変色

色:赤色 / 赤紫色

歯周病治療に関する国内外の指針でも、歯肉の「発赤(赤み)」は炎症の最も重要なサインとされています。これは歯周病菌によって歯茎が炎症を起こし、血液が滞っている状態です。触ると出血しやすいのも特徴です。

この炎症を放置すると、歯を支える顎の骨(歯槽骨)が破壊され、最悪の場合は歯が抜け落ちてしまう可能性もあります。この色の場合は、まず根本原因である歯周病の治療を行うことが最優先です。

赤く腫れた歯茎

歯周病の進行

カテゴリーB:主に「審美的な悩み」としての変色

色:茶色 / 黒ずみ

これは「生理的色素沈着」と呼ばれるもので、多くの研究報告で病的な状態ではないとされています。肌のシミと同じように、メラニン色素が歯茎の組織に沈着している状態を指します。

遺伝的な要因のほか、喫煙の刺激によってメラニン色素が増えることが主な原因です。このタイプの色素沈着では、歯茎自体に炎症はないため、引き締まったままで出血を伴わないのが一般的です。

黒い歯茎

当院のガムピーリングで、健康な歯茎の黒ずみを改善

もし歯周病の兆候がなく、健康なのに歯茎が黒ずんでいる場合、その原因は「メラニン色素沈着」であり、ホワイトエッセンスのガムピーリングで改善が見込めます。

このようなお悩みを持つ方に

  • 歯茎が健康で引き締まっているのに、色が茶色・黒っぽい
  • 喫煙によって歯茎の色が黒ずんでしまった(現在禁煙されている、または本数を減らしている方だとなお良いです)
  • 遺伝的にメラニン色素が多く、健康的なピンク色の歯茎に憧れる方

施術方法と特徴

特殊な安全性の高い薬剤を歯茎の表面に丁寧に塗布し、黒ずみの原因であるメラニン色素を優しく剥離(ピーリング)します。施術前には表面麻酔のジェルを使用しますので、痛みもほとんどありません。リラックスした状態で、約15分という短時間で完了します。

術後の経過と効果

施術後2~3日経つと、薬剤を塗った部分の表面の薄い膜が、日焼け後の皮がむけるように自然に剥がれ始めます。そして約1~2週間で、内側から新しいきれいなピンク色の歯茎へと生まれ変わります。 ほとんどの方が1回の施術で効果を実感しやすいのも、この施術の大きな特徴です。術後の食事では、刺激の強いもの(辛いもの、酸っぱいものなど)を数日間避けていただくと、より快適に過ごせます。

重要な注意点

この施術は、健康な歯茎にのみ適応されます。もし歯周病に起因する腫れや炎症が確認された場合は、そちらの治療が最優先となります。健康な状態に戻してから、ガムピーリングを行うのが正しいステップです。

まとめ:正しい知識で、最適なケアを選びましょう

歯茎の色は、お口の健康と美しさのバロメーターです。
赤みがあれば歯周病治療を、健康な歯茎の黒ずみはガムピーリングを。このように、原因に応じた正しいケアを選ぶことが何よりも大切です。

口元全体の美しさを考えたとき、歯の白さと同様に、健康的なピンク色の歯茎がその印象を大きく左右します。

ご自身の判断が難しい場合や、少しでも不安に感じた場合は、専門家による診断を受けることをお勧めします。特に喫煙歴がある方や、長年黒ずみにお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。渋谷駅近くの当院では、お一人ひとりの状態を丁寧に拝見し、最適なケアプランをご提案しています。

歯茎の色でお悩みなら、まずはご相談ください

参考文献

  • Hassona, Y., et al. (2020). Gingival depigmentation: A systematic review of the literature and a case report. *Quintessence International*.
  • Sanz, M., et al. (2020). Treatment of stage I–III periodontitis—The EFP S3 level clinical practice guideline. *Journal of Clinical Periodontology*.
  • Haresaku, S., et al. (2016). Smoker's melanosis from the point of view of a dental hygienist: a review. *Journal of Oral Hygiene & Health*.

■ガムピーリング(歯肉色素除去)
内容:専用溶剤を使用して歯茎のメラニン色素を除去します。
費用(自費):11,000円(税込)
回数:1回
副作用・リスク:個人差がありますが、施術後に痛みが生じる場合があります。
[施術の注意事項]

  • 黒ずみの程度によっては数回施術をお受けいただくことをおすすめしています。
  • 効果の出方は黒ずみの程度、歯ぐきの質により個人差があります。
  • 施術中、わずかにピリピリすることがあります。
  • 高血圧、糖尿病、血が止まりにくいなどの全身疾患をお持ちの方や妊娠中、授乳中の方、アルコール類やフェノール類にアレルギーをお持ちの方はお受けいただけません。
  • 施術後歯ぐきが白くなり、これ(カサブタ)が剥がれ落ちたときに歯ぐきが美しいピンク色になることが期待できます。
  • かさぶたが剥がれるまで1~2週間程度かかります。
  • かさぶたを無理に剥がさないでください。
  • 施術後2~3日の間、歯磨きの際に痛む場合がありますが、長く続くものではありません。
  • 施術部位は歯ブラシが強く当たらないよう気をつけてください。
  • 施術後はうがい薬を用い、お口の中を清潔に保ってください。